前回の「TOEICで800点取得に使用したおすすめの参考書と問題集6冊を紹介」に引き続き、TOEICについて書き綴っていきます。
前回はオススメのTOEIC本を紹介しましたが、今回は800点取るまでの勉強法を紹介したいと思います。ネットを見ると本当にたくさんの勉強法が載っているので参考になるかわかりませんが、一つのケーススタディーとして見ていただけたらと思います。
【TOEIC】135時間で600点台から800点までスコアアップした勉強方法
800点までの経緯
- 470点(L280 R190) 2015年1月11日
- 680点(L350 R330) 2016年3月13日
- 715点(L385 R330) 2016年4月10日
- 800点(L425 R375) 2016年5月29日
まずは、どういった経緯でスコアが伸びていったのか説明したいと思います。
上記が過去のTOEICスコアです。ワーホリ帰国後にTOEIC用の勉強に取り組み始めたのが、2回目の受験が終わった翌日の3月14日でした。その日から2ヶ月と15日間勉強して上記のスコアになりました。勉強時間でいうと約135時間になります。デイリー換算すると、約2時間ということになりました。
以下、勉強時間を表示した画像になります。実際に使用した教材は、スーパーリアル模試ではないため下記で改めて紹介します。
*3月14日〜5月1日までを表記
*5月2日〜5月28までを表記
出典:Studyplus(スタディプラス)
TOEIC満点講師・TEX加藤先生 が、「マイナビのインタビュー」でこう述べていました。
TOEICの魅力は、勉強すれば確実にスコアが伸びることにあると思います。一夜漬けでは、英語力がない段階で高得点は取ることは難しいですが、勉強すれば確実にスコアが上がります。私の指導経験では、毎日3時間勉強すると、3カ月間で約100点スコアがアップするという結果がでました。つまり、200~300時間勉強で100点もアップすることができるのです。
以上のように、200時間〜300時間の勉強で100点アップすると加藤先生がおっしゃっています。
そう考えると、私の勉強法は効率がいい勉強だったとも言えます。
680点から715点取得までに実践したこと
ここから、本題である勉強法やその方法を行う上で意識すること、リスニング・セクションを解く上での前提について書き綴っていきます。
実際に行っていた勉強は以下の通りです
- リスニング
- 単語と文法の強化
以下で詳しく解説していきます。
リスニング
まず最初に、毎日1時間半リスニングに力を入れました。
*使用していた教材は、「TOEIC(R)テスト 究極の模試600問」です。
最初にリスニングに力を入れた理由として、スコアアップの容易さが挙げられます。リスニングは、リーディングに比べて得点が出しやすいとともに会話文や問題文が簡単な単語で作られています。
先に述べた得点が出しやすいとは、同じ正答数でもリスニングの方が高いスコアが出ることを意味します。一つ例を挙げてみます。
リスニング・セクションの正答数が55問の場合→予想スコア:300点
リーディング・セクションの正答数が55問の場合→予想スコア:260点
これは、「TOEIC(R)テスト 究極の模試600問」に記載されているスコア換算表を元に各セクションのスコアの違いを述べたものです。
見てわかるとおり、両者には40点もの点差が開くことがわかります。一番点差が開いている部分を抜き出したため少し大げさなところがあるかもしれませんが、手元にあるスコア表を見てみると、0〜40点の差があることがわかります。
このことから得点アップを即急に求められている方は、まずはリスニングから着手することをお勧めします。
後者の「リスニングの会話文や問題文は簡単な単語で作られているから」ですが、リスニングに出てくる単語をすべて覚えてしまうことで後のリーディングが楽になります。
これは、同じ単語が使われていることに起因しています。つまり、リスニングでの単語を覚えることでリーディングでも役立つということです。
リスニングの勉強法
- リスニング・セクションを通しで解く
- 答え合わせ(解説は見ない)
- 時間無制限でもう一度リスニング・セクションを通しで解く
- 答え合わせ(解説を見る)
- 問題文を見て、知らない単語を調べ、覚える
- スクリプトを見て、知らない単語を調べ、覚える
- 問題文を見ながらリスニング・セクションを通しで聴きながら、解く
- 慣れてきたら、問題文(設問)を一切見ずにPART2〜4を聴きながら、脳内で解く
大まかに分けると、以上のようなプロセスを辿り勉強していました。
1,2は当たり前ですが、3,4,5,6は必須です。また、7,8をやることで英語脳・英語耳が形成されます。
3,4に関してですが、自分の弱点を知るのに有効です。リスニング・セクションを解いていると何回聞いてもわからない問題が必ず出てきます。
その主な要因として、文法や単語がわかっていないか、リエゾン(語と語のつながり)で聞き取れないのかのどちらかが挙げられます。
その二つの要因のどちらでリスニングが聞き取れないのかをしっかりと把握することで次同じ文法や単語、リエゾンが出てきた時に「あっ、これ前聞いたことある!」と理解できます。
5,6に関しては、知らない単語を覚えることでリスニング理解への障害をなくすことができます。これは、母国語である日本語で例えると分かりやすいと思います。
日本語を普段から不自由なく扱う日本人でさえ、貿易や医学、会計などの専門書を一度読むだけでその本質を理解することなど到底不可能です。なぜなら、英単語と同じように専門用語の意味をしっかりと理解していないからです。
そのため、上記のような専門書を読むには、専門用語の明確な定義(意味)を知る必要があり、そのプロセスをすっ飛ばして勉強することは英語の文章や会話の内容を理解しないも同然だと言えます。
つまり、英単語も日本語の専門用語も一緒でそれを理解せずに勉強を進めていると応用やレベルが高くなるにつれてつまづく大きな要因になると言えます。
7,8に関しては、英語脳・英語耳を鍛えるのに必要な勉強方法です。
英語脳・英語耳を知らない方は「この記事」を参照してみてください。
まず、英語脳や英語耳がなぜ必要かというと、TOEICのリスニング・セクションで高得点を取る場合、いちいち日本語に脳内変換していては間に合わないからです。
その主な要因として、日本語と英語の文法の違いが挙げられます。皆さんご存知の通り、日本語と英語では動詞と述語の並びが異なります。
その結果、日本語への脳内変換をすることで大きなタイムログが生まれ、リスニング問題についていけない状況に陥ります。実際のリスニング・セクションで400点以上取る人は、問題文(本文)を聞いた直後に解答を決定し、設問が流れる頃には次の設問を読み始めています。
TOEIC受験される方は、試しにリスニング・セクションが行なわれている際に他人がページをめくる音に注目してみてください。
明らかに自分よりもページをめくる音が早いと感じた場合、あなたの設問を読むスピードや解答のスピードは遅く、そのくらいのスピート感で問題を解かないと高得点をとれない証拠となります。余裕がある方は、試しにやってみてください。
この英語脳・英語耳は、すでに理解している単語や文法を実際の音声で聞くことによって形成されます。そのため、7,8をやる前には、5,6で単語や文法を理解することが必須ですし、5,6をやる前には、そもそも1,2で問題を通しで解答しなければいけません。
リスニングの勉強をする上での注意点
ただ上記の勉強法を実践すれば得点を挙げれるとは限りません。そのため、ここからはリスニングを勉強する上で特に大事な注意点を二つ述べていきます。
まず、一つ目はイヤホンを使わずにリスニング問題を解くことです。イヤホンを使って問題を解く人がいますが、個人的にはオススメできません。なぜなら、TOEIC試験本番や実際の日常生活でイヤホンを使って英語を聞くことはあまりないからです。
TOEIC試験本番では、ラジカセが使われてリスニングを受けることになります。その時に他の雑音を遮ることになるイヤホンを使っては、本番とは全く異なる状況で勉強することになります。これは、実際の日常生活でも同じです。
あなたが友人と会話をしている時、必ず何かしらの雑音が耳に入っているはずです。車が道路を通る音や他人の話し声、笑い声、誰かが鼻を咬む音やシャープペンの芯を出す音、机が動く音など。
そんな状況でも英語が聞き取れるリスニング力を養うことが必要だと思います。
また、リスニングの勉強をするときにパソコンを用いますが、できるだけ自分からパソコンを離してリスニングをすることもオススメします。これも上記の理由と同じで試験本番では、オーディオが2m以上離れていたり、日常生活でも少し遠く離れた所から話す場面があるからです。
できるだけ本番に近づけて試験に臨むことでより集中して問題を解くことができると思います。
二つ目に、集中して聞くこと。どんな勉強法でリスニングの得点アップを図るにしても一番重要なことは必ず集中して聞くことです。
よく聞き流しながら英語が話せる〜という教材がありますが、あれは嘘だと思います。集中せずに聞く英語は雑音と一緒です。
英語を全く勉強していない人が英語を聞いて雑音だと感じるように、英語を勉強している人が集中せずに聞いても少し意味がわかる程度の雑音でそこから内容全てを理解することはできないはずです。
そのため、1時間半も集中してリスニングができない人は、5分10分でもいいのでその日最大の集中力を持って聞いてみてください。
ある日、「あっ、何言ってるかわかる!」という日が必ず来ます。
単語と文法の強化
毎日2時間の勉強の内、残りの30分を単語と文法の強化に当てました。
*使用していた教材は、「1駅1題 新TOEIC TEST文法特急」と「1駅1題 新TOEIC TEST単語特急」です。
残りの30分を単語と文法に力を入れた理由として、容易さと基礎力アップの狙いがありました。というのも、PART7でスコアを上げるよりもPART6,5でスコアを上げるほうが簡単です。
また、文法や単語の基礎を固めることは、PART7でのスコアを上げる時に非常に役に立ちます。そのため、個人的にはPART1〜7の順番通りで勉強することをオススメします。
勉強方法ですが、上記の参考書を一章ずつ同時に進めます。それを何回も繰り返すうちに文法も単語も覚えるので、特に意識することはないと思います。
715点から800点取得までに実践したこと
ここからは、715点から800点取得までに実践した勉強法などを書き綴っていきます。
実際に行っていた勉強は、以下の通りです。
- PART3,4のリスニング
- 通読トレーニング
詳しく解説していきます。
PART3,4のリスニング
この時期も毎日30分間は、リスニング・セクションを解いていました。
*使用していた参考書は、「TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編」です。
方法は、上記で説明した時と一緒で慣れてきたらずっと脳内でリスニング問題を解いていました。その甲斐あってか、前回のTOEICテストと比べると、リスニングが40点アップしていたため確実に効果がありました。
この時は、PART1,2は満点に近い点数を取れる自信があったため、PART3,4を重点的に聞いていました。新形式になったこともあり、PART3,4が少し解きづらくなっています。
基本的には一緒ですが、問題を読む時間がグラフやクーポンにより明らかに増えたためできるだけ迷わずに回答していくことも意識しました。
やはり、TOEICテストは、時間との戦いです。以前よりも文章を読む必要が旧形式よりも増えたため速読力が求められるとも言えます。その証拠に前回、前々回と新形式TOEICテストを比べると、平均点が10〜20点ほど落ちていました。
受験者が毎回違うため、単純に比較できませんが慣れていないと点数が落ちる、とも言えるのではないでしょうか。
通読トレーニング
毎日2時間の勉強中、残りの時間を通読トレーニングに当てていました。
そもそも「通読トレーニングって何?」と思われると思います。私自身もTOEICを受ける前は知らなかったのですが、下記の記事を見て知りました。
ツウさんという、TOEIC925点保持者の方が書かれているブログでスコアアップの方法が事細かく記載されています。
この通読トレーニングは、PART7を通しで読む勉強方法のことでPART7のスコアアップに特化したものです。また、主な狙いとして長文の読解力アップや速読力アップが挙げられます。
リーディング・セクションが300点台・400点台前半の人にとって足りないものは、明らかに読解力と速読力ですよね。時間切れまでにすべての問題を解くことは、高得点を狙う上で最低条件だと思いますし、900overの人は見直しの時間を想定して時間配分していると聞きました。
この通読トレーニングを見よう見まねで試したところ本当に効果的に点数を上げることができました。ほぼ同じ内容になってしまいますが、私が気をつけた点なども踏まえて述べていきます。
通読トレーニングの方法
- リーディング・セクションを通しで解く
- 答えあわせ(解説は見ない)
- 時間無制限でもう一度リーディング・セクションを通しで解く
- 答えあわせ(解説を見る)
- PART7をすべてコピーする
- コピーした用紙を使って精読する(主語、動詞、知らない語彙、文法のチェック)
- スローリーディングを3周する
- 通読トレーニングを17周する
- これをもう一セット別の模試で行う
大まかに分けると、以上のプロセスを辿り通読トレーニングを行っていました。
1,2は当たり前ですが、3,4をやることで自分の本当の実力を知ることができます。
6,7では、通読トレーニングをより効果的なものにしてくれます。そして、8の通読トレーニングで速読力を養うことができます。
3,4に関してですが、時間無制限で行うことで自分の実力を理解することができます。もちろん、TOEICテストは2時間の制限が設けられて行うテストですが、ただ単に時間がなく解けなかった問題の多くが落ち着いて回答すると正解する問題だということに気づけるはずです。
900点以下の受験者は、時間が足りずPART7の問題をただぬり絵している場合があります。しかし、実際にはPART7の185-200問はそこまで難しくありません。
時間さえあれば正解する問題です。つまり、速読力がつくだけでスコアアップが可能だということです。
5,6,7に関して言うと、通読トレーニングをする前に必ず行わなければならない勉強法です。精読とスローリーディングを行わずに通読トレーニングをすることは、先ほど述べた専門書に出ててくる専門用語を覚えずにページを読み進めることと似ています。
わからない専門用語(文法や単語)をそのままにしておくとまた元に戻ってページを読み返さなければいけない状況が必ず出てきます。そのため、通読トレーニングを行う前は精読を必ず行ってください。
具体的な精読の仕方は、コピーしたPART7の用紙に知らない単語や文法、言い換えを全て書き込んでいきます。この精読が結構大変で面倒な作業ですが、必ず行ってください。
*詳しい精読のやり方は「この記事」を参照してみてください
その後、文章一つ一つがどんな構造で成り立っていてどの単語がわからないのかを再度確認するためにスローリーディングを3周行います。
ここでの注意点は、必ず英語の文章を頭から理解するために出来るだけ文章を読んだら戻らず、頭の中にその文章がイメージできるスピードでゆっくり読み進めることです。決して頭から文章を理解できないのに速読や通読をしてはいけません。
ゆっくりとイメージしながら読むことで英語を英語のまま理解する習慣や感覚が身につきますし、そのコツが通読で必ず活きてきます。
次に、17回の通読トレーニングに関してです。文法や知らない単語がない状況で行うこの通読トレーニングでは、できるだけスピードを意識して行います。前述のスローリーディングで完全に文の構造や単語を理解している文章では、とにかく早く読むことに焦点を当てます。
最初は、PART7の通読トレーニングに1時間半かかっていましたが、合計20回のスローリーディングと通読トレーニングを終える頃には、35分を切ることができました。
実際に本番では、塗り絵をすることなく試験を終えることが初めてできましたし、得点も前回と比べるとリーディング・セクションで35点上がっています。そのため、とても効果的な勉強方法だと確信しました。
計20回のスローリーディングと通読トレーニングが終わった後か精読が終わった時点でもう一つのPART7を同時進行してもいいと思います。私は、通読トレーニングの5回目くらいでもう一つのPART7を解き始め、最終的に計40回文章を通しで読みました。
まとめ
以上が680点から800点までスコアアップした勉強方法になります。
本当にいろんなTOEIC本や勉強方法が蔓延していますが、自分にあった参考書や勉強方法を決めて継続すれば、必ずスコアに現れてくるのがTOEICテストなのだと4回の受験で感じることができました。
この記事がTOEIC受験者の参考になれば幸いです。